ライオン、セシルはなぜ殺されたのか?

こんにちは。天海和美です。

今、世界中で話題になっているジンバブエのライオン、セシルの話です。

どうして話題になっているかというとセシルという人気者の雄のライオンをゲームとしてのハンティングをして殺したから。

このライオン、セシルはずっと観察されていた野生のライオンで野生動物保護区にいたのに肉で保護区の外におびき出され、至近距離から撃たれ、手負いのまま40キロも逃げたところを追いかけられて殺された。

そして頭と体の皮を剥ぎ、肉を置いて行った(戦利品を飾り物にするため)

そしてこのハンティングはアメリカ人の歯科医師が700万円を払って参加したハンティングでした。

そしてこのセシルが殺されたことで世界中から非難が殺到している。

絶滅危惧種なのにハンティングの対象になる野生動物は少なくない。

そしてこれはアラスカでも同じような事によく出くわす。

国立公園や北極圏でもよくハンターと出くわす。

何しに来たの?って聞くと「グリズリーをハンティングに来たんだ。」とか「ムースをハンティングに来たんだ。」とか言います。

ハンターの数は凄いです。あっちこっちで見かけるし、車にカリブーやムースの血だらけの頭と角を積んで走っている車も時々見ます。

みんな他の州から来ていて戦利品を持って自慢気に見せたりします。

ある時、私が写真を撮っていたらのを見て「君は写真家なの?」って聞いてきた人がいました。

私は「違うよ。写真は趣味なの。」と答えると「そうなんだ。僕の写真も見せてあげるよ。」と行って見せてくれました。

その人はJohnというアメリカ人でよくアラスカに来て写真を撮ったり、アフリカのジンバブエやブラジルのシャングルでも野生動物の写真を撮ると言っていました。

その人の写真は趣味を超えた美しさでまるでナショナルジオグラフィックの写真みたいでした。

もう10回以上はジンバブエやボツワナに行っていると言うので「あなたはハンティングもするの?」と聞いてみました。

するとJohnは「僕は動物は殺さない。写真を撮るだけだ。」と言いました。

その人は体格も良いのでてっきりそこにたくさんいるハンターの一人だとばかり思っていました。

するとJohnは「僕は銃は持たない。銃で動物の命を奪うのは嫌なんだ。

僕はカメラで生きた野生動物を撮るだけださ。

僕はベトナム戦争に行って戦場で人がたくさん死ぬのを見たんだ。

僕の撃った銃で誰かが死んだかも知れない。

だから銃は嫌いなんだ。」と言いました。

日本ではもう70年間戦争はしていない。だからリアルに銃で人を殺すって想像がつきにくいと思う。

でも、世界中に集団的自衛権行使といて戦場に行けば、否応無く人を殺す戦場に行くことになる。

アメリカであなたの仕事は何?って聞かれて「カウンセラーです。」と答えると「それは大変ね、、、。」と気の毒そうな顔をされたことが何度かあった。

ピーターという人と話していた時、彼も同じような反応をした。

「アメリカではカウンセラーの仕事は重要なんだ。そしてアメリカではたくさんの心を病んで壊れてしまった人たちがいる。」と言いました。

よく聞くとアメリカ軍がベトナム、ソマリア、イラク、アフガニスタンなどなど戦争に行き、帰って来るとその心は壊れてしまっているそうです。

だから心のりはかのためにカウンセリングは欠かせないそうです。

それでも麻薬やアルコールに逃げたり様々なトラウマを抱えていると。

ライオン、セシルはなぜ殺されたのか?

ライオン、セシルを殺すことで世界中が非難している。

ライオンもグリズリーもムースもカリブーもクジラも同じだし。

そして人間だって殺し合うべきではない。

私たちはどんな世界に住みたいのか?

どんな世界に生きたいのか?

あなたの子どもにどんな世界を残したいのか?

それをイメージすることが大事だと思う。

ライオンセシルは世界中にそんな事を問いかける為に殺されたのかも知れない。

平和な世界のためにね。