人々を救ったアイヌの伝説
こんにちは。天海 和美です。
昨日参加したアイヌの伝統儀礼について。
最近アイヌをキーワードに私のブログにたどり着く方が結構いらっしゃって。
アイヌのことを知りたいけれどなかなか資料がないとか。
自分はアイヌの過去世を持っているとか、祖先はアイヌに違いないとか、最近アイヌのことが気になるとか、アイヌに心を惹かれてたまらないとか色々。
しかもアイヌを一度も見たことも無いとか北海道にすら一度も行ったことがないとか。
そんなにアイヌのことが気になる人が多いとは知りませんでしたが日本中にアイヌに関心のある人は結構いらっしゃるのだと思います。
そしてアイヌに関心のある文化人類学者の新しいお友達をお連れして昨日アイヌの古式儀礼に参加してきました。
そんな訳で今日はアイヌの古式儀礼のカムイノミに参加したことを少し書いてみたいと思います。
というか、言葉で書くよりも写真の方がわかりやすいので。
ここはアイヌ様式の家で「ウレシパチセ」で開催されました。ウレシパとは「互いに育む家」という意味だそうです。
囲炉裏の火を囲んで儀式が始まりました。アイヌ語で神々にお祈りを捧げているので意味はよくわかりませんでしたがところどころ言葉で理解できました。
でも、私はハートで聞いて祈っていたので言葉は必要ありませんでした。
この古式儀礼はアイヌの言い伝えによって行われているようです。
むか〜し、むかしアイヌの人たちが暮らしているところが食べ物が無くて飢饉になったそうです。
それで人々がカムイにお祈りをして助けを願いました。
すると川に柳の葉っぱが落ちて流れて行き、その葉っぱがたくさんの「ししゃも」を連れて川を遡って来たそうです。
それで人々は飢饉から救われたということです。
ししゃもとは「柳葉魚」と書きます。そういう言い伝えから来ている名前なのでしょうね。
さて、このウレシパチセでのお祈りの後、川辺に行きました。
川辺で川のカムイや海のカムイ、魚のカムイ(特にししゃものカムイ)に感謝を捧げて豊漁と安全を祈っていました。
と、同時に生きるために私たちが食べているので魚たちの供養や先祖供養もありました。それをイチャルバというそうです。
お祈りの儀式の後は一人一人が神様に捧げ物をしてお祈りします。
それからアイヌの少年たちによる勇壮な踊りがカムイたちに奉納されました。
女性たちが長髪を振り乱して踊る古式舞踊があるのですがこれは大風で揺れる松の木を表しているそうです。
そう言われてみると確かに松の木が風で倒れそうなくらい揺れているように見えました。
その後も奉納の踊りがいくつか続き、最後は全員が輪になって踊りました。
私は動画を撮っていたのですが古老に「わみも中に入って踊れ!」と言われて慌てて中に入ったのですが5秒くらいしか踊れず曲が終わりました。残念!
その後は歌を歌いながら川辺に行き、捧げものを川に投げ入れてカムイにお祈りしました。歌いながら行進するのですがなんとも癒される歌の響きなのです。
川辺での儀式が終わりウレシパチセに戻って来ると。
サルルンカムイが!!サルルンカムイとは「湿原の神」というアイヌ語です。
とっても美しい姿でした。お祈りをしてきたのでカムイが丹頂に姿を変えて目の前に現れてくれたような気がしました。
ウレシパチセではアイヌ料理が振舞われ、私は囲炉裏の側で火の神(アペカムイ)の暖かさを感じていました。
囲炉裏の上には魚の燻製みたいなのがありました。(多分これは飾っているのだと思います)
私はお料理が美味しすぎてすごい食べまくりました。ししゃもが特に美味しくて。これはカジカという魚の汁物。体があったまります。外は薄氷が張っていて寒かったので。
今回は道東のいろんな地域のアイヌの方達が一堂に集まってこの儀式を執り行っていました。
アイヌといっても明治以降の弾圧から悲しい歴史を辿っているのですが。
アイヌの血を受け継ぐ方達がアイヌの伝統や文化を復活させて少しでも子孫に残していこうと活動をされています。
アイヌ文化や儀礼に関心のある方は来年、アイヌの大きな祭りが北海道の静内町というところで1000人規模のものがあるそうです。
それなら参加可能かもしれませんね。2018年9月23日の秋分の日と言っていました(その祭りの実行委員長が)
多分これのことだと思います「シャクシャイン祭り」
ご興味のある方は静内町の方に問い合わせるといいかと思います。(ただし参加される場合は寄付金をお願いします。とっても美味しいアイヌ料理が振舞われるので大体5000円から1万円くらい。
カムイへのお供物で日本酒とかフルーツとか海産物とかを奉納する方もいますが寄付もした方が良いです)
アイヌの伝統とか儀礼を通して自然との繋がりや感謝の思いを改めて感じました。
普段の生活で「当たり前」と思っていることを改めて感謝の思いを忘れないようにしたいと思いました。
それにしても今回のカムイノミやその後の流れは、全て「導かれている感覚」でした。
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