空海とアーユルヴェーダ・心と身体と魂は繋がっている
こんにちは。天海 和美です。
私は心と身体と魂は繋がっていて、自分が幸せで健康であるためにはこの3つが少なくとも調和していることが大事だと思っています。
ここ数週間、アーユルヴェーダに関心を持って調べて実践してみたら面白いことが引き寄せられてきました。
そして数日前には漢方薬や鍼灸などの伝統医療(アジア)が世界保健機関(WHO)の総会で認定されることとなったということをニュース記事で知りました。
なるほどようやくね、、、という感じですが。これには深い意味があります。
今までWHOが100年以上も漢方や鍼灸などの伝統医療を認めてこなかったのは西洋文明(白人社会)以外は野蛮で未開の遅れた文明だからと見下していたからだと思います。
自分たちは進化しているけどアジアやそのほかの(有色人種)の国々は遅れている国だから。
そして日本人も明治の開国以来、文明開化と言って自分たちの文化や伝統を否定して西洋文化を見習い、追いつこうと必死だったから。
中国や日本には何千年も前からの知恵があって人々はそれを知りながら生き延びて来たのですから。
私たちのDNAには祖先が生き延びて来た叡智が記憶されているはずなのです。
世界保健機構WHOが認めたからどうなの?っていう気もありますが、実は日本の医学には大きな影響があると思います。
東洋医学は日本の医学会ではかなりのマイノリティーでそれを勉強したり行なっている人たちは、とても少ないですし変人扱いさえされています。
私は若い頃、大学病院で最先端の医療現場でずっと働いていましたが、医療そのものに疑問を持っていました。
病気になってから治療するのって?とか病気にならないようにするためにはどうしたらいいのだろうか?とか。
なぜ病気になるのだろうか?と、、、。
それで夫(今では元ですが)と「より健康に生きるためのホリステックなクリニックを作ろう」とクリニックを開業しました。
で、開業する前に色々考えて漢方薬を取り入れようと私の友人が勤務する漢方の専門のクリニックにお願いして夫を毎週勉強に行かせたり。
赤ちゃんや子どもの治療を中心にするために小児科へ夫を毎週勉強に行かせたり。
そして私たちのクリニックに診察にいらっしゃる患者さんには、治療のための薬の飲み方だけではなく、病気は免疫力の低下から起きるから免疫力の高め方、食事や生活の仕方、サプリメントの補助的な取り方とか。
アロマオイルの使い方、ストレスの解放の仕方なども教えていました。
もう20年以上前の話ですからアロマテラピーなんて全く一般的ではなかったし。
当時、所属していた大学の医局の教授や先輩たちからも「東洋医学とか漢方薬を処方するなんて、そんな怪しい診療はやらない方がいい。」と言われました。
つまり怪しい診療をするクリニックという風に見られていました。漢方を入れるだけで、、、。
なので日本は逆輸入になって初めて評価されるので、WHOで漢方が認定されれば日本の医学会も抗生物質を効かない病気にまで大量投与することもなくなっていくかもしれません。
そもそも西洋医学(一般的な病院)では、胃の専門とか、脳の専門とか部位に分かれていてそこだけ見るのですが、東洋医学は人間を全体として見るのです。
つまりホリステックなのです。まぁ、WHOが認めようが認めまいが日本の医学会からマイノリティーだと言われようが自分の信じた方向へ行くことの方が大事なのですが。
世の中がようやくホリステックな視点に追いついてきつつあるのだと思います。
で、実はここからが今日の記事の本題です。
先日から、文化人類学者の友人Mさんが北海道に遊びに来ました。丹頂鶴と私に会いに来たのですが(笑)
それでとても面白い話を聞きました。
Mさんの研究するフィールドはタイの北部とインドのケララというところで何十年も通っているのですが、ちょうど10年前にインドのケララの大学で研究員をしている時に中国人の留学生に出会った話をしてくれました。
その中国人留学生はAさんという中国の大学病院の30半ばの医師でした。
その少し前2003年頃、中国ではSARS(サーズ・重症急性呼吸器症候群)が中国を中心に大流行し、8,096人が発症し、うち774人が死亡するということがありました。
1,707人(21%)の医療従事者の感染するという驚異的な感染力の新型の病気で、そのA医師のいる大学病院の医療従事者も次々に感染し、死亡した人もいるそうです。
しかし、そのA医師はアーユルヴェーダの知識があったので感染した人たちに アーユルヴェーダの処方をしたそうです。
するとその感染した人たちが重篤にならず死亡しなかったと。自分にアーユルヴェーダの知識があったので自分は多くに人たちを救った経験があると。
その後A医師の功績が認められてインドにアーユルヴェーダのための留学をさせてもらえたそうです。
アーユルヴェーダはインド最古の聖典ヴェーダ(紀元前1200年)においては、神々に病気治癒を祈願する讃歌や呪法などの記述があり、4ヴェーダのひとつとされる文献「アタルヴァ・ヴェーダ」にておいては 百種類を超える薬草の用法やそれらを摂取する際の真言(マントラ)が記述されています。 (ウィキペディアより)
心と体と魂に対するホリステックな伝統医療なのですね。
中国ではアーユルヴェーダの著書は古くからありましたが、それはチベット語で書かれたもので原典はサンスクリット語で書かれています。
サンスクリット語からチベット語に翻訳される過程で削除されたり、要約されてしまったもにも多く完全なアーユルヴェーダではないと思い、A医師はサンスクリット語を習得するために留学していたそうです。
そしてサンスクリット語のアーユルヴェーダの原典を読み、それから中国の西洋医学の中で応用するそうです。気の遠くなるような長い話ですがとても重要なことだと思います。
そしてアーユルヴェーダは、西洋医学の代替療法として世界保険機構(WHO)からの認定を受け、予防医学として大変注目されているそうです。漢方や鍼灸よりも先ですね。
日本でも空海が遣唐使として行っているので、その時に持ち帰ったのは、もしかするとアーユルヴェーダだったのかも知れませんね。仏教とともにインドからチベット経由で中国に両方とも伝わっているので。
空海も素晴らしい治療法を残していってくださっています。灸のすごい太いやつとか陀羅尼助丸とか。薬草を乾燥させて丸めたものです。
他にも延命草と言われる草の薬もありました。
空海が道端で倒れている人を助けて治療したことからその草は「ヒキオコシ草」と呼ばれてすのごもずっと使われて来たという伝説があります。
山道を歩いていると、一人の行者が倒れていました。 それを見た空海は近くにある草をしぼり、その汁を、倒れている行者の口に含ませたところ、その行者はたちどころに元気をとりもどして旅を続けることできたというものです。
この故事によって、ヒキオコシや延命草(えんめいそう)という名前がついたとされています。
陀羅尼助丸などは法律では第3類医薬品になっており、作用も穏やかで副作用のリスクも低いものとされています。
つまり薬草から作られているので穏やかに効いて副作用もリスクも少ないというものなのですね。
私は科学的に合成された薬よりも空海の使う薬草の方が効き目あると思います。
今まで日本で伝統的に使われて来た薬草などは忘れられてしまっているものがとても多いです。
日本にはたくさんの薬草がありますし、もう忘れられたもの、まだ発見されていないものも含めて数多くあると思います。
そしてその多くが森の中にあるのです。だから森が無くなると私たちに必要な薬草もなくなってしまうのです。
だから森を壊してはいけないし、再生していかなくてはいけないと思います。
そして体を部品としてみる西洋医学一辺倒から”心と身体と魂を癒す”というホリステックな視点に変わっていくことが大切だと思います。
自分のハートが拓いて身体の声を効いてあげるようになると今の自分に何が必要なのか?
また不必要なのか?ということがわかります。
ですので心を拓くこと、自分に優しくすること、自分のハートや身体に意識を向け、声を聞くことが大切です。
そうしているうちに自分に大切なものが見えてくるし、新聞やテレビや誰かの話を聞かなくても自分に必要なことがわかってきます。
自分自身に意識を向けて、本当に必要なことを聴いてあげてくださいね。
【補足】 厚生労働省Webサイトより
「健康の定義改正案」について
平成10年のWHO執行理事会(総会の下部機関)において、WHO憲章全体の見直し作業の中で、「健康」の定義を「完全な肉体的(physical)、精神的(mental)、Spiritual及び社会的(social)福祉のDynamicな状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」
“Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.”