宇宙の真理を感じる場所
高野山に行ってみてこれほどまでに弘法大師空海が偉大な人で
時の権力者から下々の者までもの絶大な人気を集めているとは知りませんでした。
空海は自ら入定した(自ら断食をして死を迎えた場所)が弘法大師御廟という場所です。
ここでずっと瞑想して今も生きていると信じられていて僧侶たちは毎日2回食事を運んでいます。
空海は生きているうちは勉強し、あらゆる苦難の乗り越えて日本に密教を持ち帰りそれを広めた。
それは自分の信じる道をただひたすら生き抜いたこと。
空海は有名になろうとか権力を手にしようと思っていなかったのだから。
なぜなら空海は当時1つだけあった大学に入ったが中退して
その後ニートになったのです。
この大学を出ると当時は高級官僚になり将来が約束されていたにも関わらず中退したのです。
そして独学で密教を勉強して遣唐使として私費留学で中国に渡ったのです。
当時、日本にはほとんど密教の本が無く、誰に聞いてもわからないから中国に行こうと決意したわけです。
みずからエリートの道を投げ捨てて密教を学びたいと決意したのですから
たぶん当時としては変わり者だったのだと思います。
そして空海は中国で恵果という密教開祖7番目の高僧と出会いました。
この恵果は自分の後継者として誰が言いか?と考えていたところに
空海が現れてすべてを教えて恵果はその翌年なくなりました。
空海はすべてを学び本当は20年遣唐使はいなければならなかったのに
掟破りで2年で日本に帰りました。
そこからまた苦難が。
日本中いたるところで弘法大師伝説があります。
空海は行く先々で奇跡を起こし病の人々を救ったり、旱魃のところで水を沸かせたり。
空海は生きている間、人助けで忙しかったのですが、世の中の権力者にも反抗せず
うまく合わせて(気に入られて)密教を広めていったのだと思います。
たぶん理不尽なことも不本意なこともあったでしょうけど。
理想と現実の狭間で悩んだりもしたんだろうな~なんて思いました。
だってこれだけの宇宙の真理を知っていれば世の中のことが馬鹿馬鹿し過ぎて
「やってられないよ~」なんて思いもあったのだと思います。
「馬鹿じゃないの!この人間たち」とか。
でも、そこを投げ出さず「こんな世の中だから密教を通して人々に
宇宙の真理を教える役割があるんだ」と言い聞かせて教えを広めたんじゃないかと。
勝手に想像しました。
元々神童だったようですが、きっと人々と自分の間にすごい意識の違いが
あり過ぎて理解してもらえず大変だったんだろうな~なんて思いました。
フランス人が凄く多くて驚きましたがミシュランで紹介されていて
高野山は山の上に忽然と現れる「宗教都市」、
空海の密教は「宇宙の哲学」と思われているそうです。
日本人にはそんなかっこいい発想は無かったと思うのですが。
私の周りでも「マチュピチュに行った」とか「チベットに行った」とか
「インドのなんたらに行った」とかは時々聞きますが。
高野山で修行したって人は一人しか知らない(笑)
空海はとにかくすごいスーパーマンだったことには違いないですね。
私は奥之院の弘法大師御廟のそばで少し森の眺めながら瞑想していました。
そこで浮かび上がってきたイメージに空海は断食したまま何日も瞑想し
そして身体が前のめりで倒れた瞬間に空海の身体から
スピリットが離れて自由になっていくのが見えました。
それは肉体を持って人々を救うことに奔走していたときと違って
もっと自由にのびのびと人々を救うことが出来る姿になりました。
肉体という制限に囚われず、自由を手にしさらに多くの人々を救えるようになったのです。
そんな光景が浮かびました。
弘法大師空海は死んだのではなく人々の中に
「いつも私たちのそばにお大師様はいてくださる。」と人々に信じられています。
そう奥之院の参道を歩いていると本当に後ろから歩いてくる足音がするんですよ。
5月12日までは高野山開創1200年で秘仏の特別公開もされています。
ぜひ行かれてみることをお勧めします。
空海の教えはひとつの宗教・宗派を超えてすべての人々のために