宇宙の創造エネルギーを放つ人

こんにちは。天海 和美です。

今日は小林東さん(釧路のジャズ喫茶マスター&オーナー)のお通夜に行ってきました。

お通夜に行くかどうか迷っていました。私の中で小林さんがお亡くなりになったというのを受け入れたくなかったから、、、。
お別れする儀式とか行きたくなかったからです。

でも、行ってきました。すごい吹雪でした。

会場に着くと多くの人で溢れ入り口の前には小林さんの思い出の品や写真が並べれているコーナーがあってなんだかお祭りみたいな明るさでした。

お通夜前の会場は今までの写真やスライド上映もやっていてジャズが鳴り響いていました。
通夜が始まってから代表の方が小林さんの今までの経緯をお話ししてくれました。

1969年に釧路でジャズ喫茶「This is」(ジスイズ)を26歳の時に開業して43年間年中無休でやってきました。
2012年の9月20日に倒れるまでに釧路から芸術や文化を発信し続けたのです。

音楽、写真、舞踏、演劇、絵画、映画、文学、詩などの文化の拠点でした。

他にも障害者の方たちの支援とか心の病を抱えている方たちの相談とかにものってあげているのを度々、目にしました。

私が人生で出会った最も文化的で教養のある、そして謙虚な素晴らしい方でした。

私は「ジスイズ」に行くまでジャズは聞いていませんでした。高校生の頃、友だちの影響で聞いていましたが理解できるというよりも「流行り」で聞いていたに過ぎませんでした。

私は「ジスイズ」に行くようになってジャズが好きになりました。これは小林さんの影響だと思います。

家でもどこでも、今もジャズばかり。実は昨年からテイラー・スイフトも大好きになりましたが(笑)

初めてジスイズのお店に入った時、どこに座ろうか、ちょっと迷っていたら小林さんがすかさず「こちらにどうぞ」って言われたのがカウンター席。

えっ、、カウンター、、、ってちょっと戸惑いましたが進められて嫌だとも言えず、躊躇しながら座りました。以後、そこが私の指定席になりました。

私が「ジャズ、聴いたことないんですけど、、、。」って言ったら小林さんはすかさず「クラシック派ですか?」と言いました。

そうなんです、、、私、実はそれまでクラシックが大好きで、、、、。ほぼ毎日どこでもクラシックでした。

でも、ジスイズに行ってからは毎回新しい発見があってどんどんジャズが好きになったんです。

その時、お店で掛かっていた曲が鈴木良雄さんのCDでお店の43周年のライブで鈴木さんが来るからいかがですか?ってお誘い受けたのです。


記念のライブのポスターは今でもうちの冷蔵庫に貼ってあります。43周年記念が最後になりました。

小林さんは私以上にスピリチュアルな方で宇宙の深遠な仕組みとか、ご自分の体験談などを色々話してくださいました。

たぶん、他のお客さんには話していないと思うけど、、、、。私はありのまま受け取っていました。

イライラしたり、落ち込んだりしてもあのお店の中にいると本当に忘れてしまいました。不思議な空間です。

今日、初めて知ったのですが小林さんは大野一雄さんのお弟子さんだったそうです。

謙虚なんだな、、、大野先生の話はたくさんん聞きましたが自分が弟子だったということは一度もおっしゃらなかった。

ただ70歳になったら大野先生の踊った「アルヘンティーナ」を自分が踊るんだと。

私はそれを楽しみにしていたんだけど。

私はあまり興味がなかったのですが、小林さんが大野一雄さんの写真集などをたくさん見せてくれました。

私はまるで文化的な人ではなかったためによく理解できなかったのです。

ところが見ているうちに次第に引き込まれていったのを覚えています。

それまで全く知らなかった大野一雄さんという舞踏家になぜか関心を持ちました。

舞台用のメイクが下手なのか、こういう表現なんだと思うのですがちょっと怖い印象を受けていました。

前衛芸術なんて理解できないし、あまり興味も無い分野でしたが小林さんは大野一雄先生と呼び、もうすごい大ファンを超えたような感じでした。

なぜか私もその世界に引き込まれていきました。

不思議な感覚というか舞踏に取り組む情熱、、、というか、そこには本物の何かを感じました。

輝きというか、、、派手さはないのですが、生命の輝きと言うか、魂の共鳴する何か、、、、です。

借りてきた本は(というかお断りしたのにぜひ持っていって読んでみてと言われ)とても分厚い
大野一雄舞踏譜―御殿、空を飛ぶ。/大野 一雄
という本でした。

時間ができたら読もうかな、、、位にしか思っていませんでしたが、家に帰ってのんびりした時間にキース・ジャレットの「ケルン・コンサート」をかけながら何気にこの本をペラペラと後ろから読みたいところだけ読んでいました。

でも、不思議なことに読んでいるうちに「無限の世界」に引き込まれていくようでした。

エゴの無い、、、、不思議な世界、、、、、。

ただそこにある、、、、、、

今、この瞬間、、、、、

すべてが満ち足りている世界。

つまり現実世界の向こう側の世界でした。

さっきyoutubeで大野一雄さんの動画を見てみてください。

大野さんは2010年に103歳で亡くなるまでずっと舞踏を続けてきた方です。

60歳定年まで高校の先生をしながら舞踏家としての活動を続け、60歳から70歳までは高校で用務員として働き、70歳で世界的に評価を受けました。

70歳から世界的に大活躍って、、、、やっぱり、すごいですね。

フランスの第14回ナンシー国際演劇祭に出演し、1999年イタリアで第1回「ミケランジェロ・ アントニオーニ賞」受賞。

その後ヨーロッパで最古の総合大学・イタリアのボローニャ大学という名門大学で大野一雄研究室が出来るほど世界的評価の高い舞踏家でした。

私は業績はあまり関心がありませんが、世界の芸術家に影響を与え、評価されたと言うことは凄いことだと思います。

私は大野さんの舞踏を見ているのなぜか、ハートの奥が鼓動し、ノックされているような、、、、。

ハートの中がだんだんとピュアになっていくのを感じます。

そしてなぜか、、、、、見るたびに、、、、涙が出ます。(私の趣味の範疇で無いはずなのに)

大野さんの舞踏は、創造主の表現としての「無の世界」であり、「宇宙の愛」を感じます。(これは私の感じ方ですが)

その後も、小林さんから大野一雄さんのお話をたくさん聞かせていただきました。

本とかポスターとかも色々頂いて、、、、。希少性の高いものばかりで。

今となってはそれは全部、小林さんの形見になりました。

そうそう、長くなってしまいましたが、、、、。

今日、お通夜の時に代表の方がおっしゃっていたのです。

あなたが「ジスイズから受け取ったことを、これからはあなたのジスイズの物語としてつたえてください。」と。

そう、これは大切なことだと思いました。

私が受け取った素晴らしいことを”Pay it fowerd”次へ渡していくと言うことの大切さです。

創造のエネルギーの種が植えられたら。次の誰かにもその影響を与えるから。

私の周りで小林 東という人に出会った人はほとんどいませんが、これからは私が私の物語として伝えていこうと思いました。

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《追記》
小林東さんのお通夜会場で藤村正弘さんにお会いしました。

私が「This is」で収録した「癒しのJazz」ライブのCDをお渡ししました。小林マスターの形見として。

小林東マスターからたくさんの影響を受けたので、誰が喜んでくれるかな?と考えたら藤村さんでした。

お通夜なのですが会場はジャズ一色で。たぶん400人か500人位の会場は満席。空いているところに座ったらなんだか変だな〜と思って近くの方にお聞きしたらそこは親族席。だから空いていたんだ(^^;;

もう会場は暗くなっていて、慌てて違う席に行って「こちらは空いていますか?」って女性に聞いてから座ったら。

「どうぞ」と言われて、目の前の席にどこかで見たような方が、、、、。

それは藤村正弘さんでした。びっくり。こんな大人数いるところで。
これもきっと小林マスターのお導きなのでしょう。

私は泣き顔から笑顔になれず引きつっています。

(藤村正弘さんと)

小林東さん、最後までジャズ一色な人生でした。
“What a wonderful world”そのもの。
感謝を込めて。