生きるとは何かを教えられました

こんにちは。天海 和美です。

今日は生きるとは何かについて教えられました。その人の長い人生を通して「生きるとは何か?」ということを見せられた気がしました。

若い頃は元気で夢も希望もあって何でもできて体力もあって肌もつるつるで美しくて若い方が良いに決まっていると思うかも知れません。私もある部分においてそう思っていました。

でも最近は歳を重ねるということも悪くはないな、、、と思うようになりました。

年齢と共に美しく進化した人たちをたくさん見て来たからです。それは身近な人でもあるし会ったことも無い人も含めて。

年齢と共に「悟って」魂の道を歩いている人はとても美しく進化しているということを感じるからです。

私も”そうありたい”と思います。

今日はセッションの合間を縫って「東山魁夷展」を見に国立新美術館に行ってきました。

~生涯をたどる美しき道~とサブタイトルがあり、本当に30才から90歳の生涯を終えるまでの作品を見ることができました。

最初は風景画家として絵を描いていたようで、その絵を見て驚くことばかりでした。

何故なら私がいつも見ている北海道の風景そっくりの場面がたくさんあり、、、、

芸術家としての目で見たら何気ない、いつもの風景がこんなにも美しく描かれるのだと思いました。

そして私が畑をやっている鶴居村にそっくりの風景がたくさんあって、、、。
(こちらからお借りしています)

畑、森、空、小川、、、、もしそこに丹頂がぽつんといたらまさに鶴居村の風景でした。

北欧の風景や高い山に掛かる霧と雲の幻想的な風景も、、、、。
こちらからお借りしています)

そして一番思ったのは私はいつも究極の美しい風景を見慣れ過ぎているからそれが当たり前になっている。ということがわかりました。

東山魁夷の人生を辿って作品を見ていくと50歳を過ぎてからが素晴らしさをさらに発揮し、70歳からはさらに進化し続けていました。

80歳になってから天皇家の新居の壁画などを手掛けていました。

東山魁夷の作品としては白い馬が有名です。

私は偶然長野県を旅していた時に東山魁夷が絵のモデルとして書いたという御射鹿池のすぐそばのロッジに宿泊しました。ロッジでモデルの池がすぐそばにあると聞いて見に行きました。

誰もいなくて私だけだったのですが(この時は生まれて初めての一人旅)御射鹿池の前で立っているとそこに「白い馬」が現れたんです。

私はびっくりしてあの絵の白い馬が本当にここにいたなんて、、、、って驚きました。
それは御射鹿池の森の上に白い雲として現れて、それが御射鹿池の水面に映っていました。

私は不思議な感覚の中でそれを見ていたのを今でも鮮やかに思い出します。

今回の東山魁夷展では奈良・唐招提寺御影堂の襖絵なども展示されており圧巻でした。
私は彼が70歳を過ぎてから本当に凄い進化をしたのだと感じました。

「白馬に導かれるように《唐招提寺障壁画》を完成させた東山は、この時はじめて、描くことは「祈り」であり、それであるならば、そこにどれだけ心を籠められたかが問題で、上手い下手はどうでもいいことなのだと思うに至りました。」生誕110年東山魁夷展より

私はこの「祈り」という言葉を目にして東山魁夷の想いがこの絵から伝わってくるの感じて胸がじ~んと熱くなり涙がこぼれました。

私は自分の仕事・役割をする時はいつもそれが「祈り」だと感じるからです。

私は一人の画家の作品からこの画家の「生命・魂の道」を感じました。美しく躍動し進化していく姿は、、、まさに祈りであり、魂の道そのものだと感じました。

若い頃の勢いとか野望とかいろんなものがそぎ落とされて、ありのままの「生かされている」その美しさにどんどんと深く入っていったように思えました(私は絵や芸術のことはわからないのであくまでの一人の人間としての感覚です)

そして彼の絵というか生きてきた道を観て「年を重ねることは悪くないなぁ、、」と思いました。

すべての人がそうだとは思いませんがこのように年齢と共に悟りの境地というか、なんとも言えない何かを超えていった人の感覚というか。まさにそれが「祈り」としての絵だったのだと思いますが。

とにかく感銘を受けました。人が人として生きるということを”見せられた”という感覚です。

こんな素晴らしい生き方があったんだと。そして作品そのものというよりも彼の作品を通して「生きることの美しさ」「自然から守られ生かされていることへの感謝」というものを教えられたように思いました。

何とも言えない、、、、自分の人生をこれからどう生きていこうか、、、と見直すきっかけになりました。

この東山魁夷展は12月3日月曜日までです。もうすぐ終了してしまうのでぜひ行かれてみてください。

国立新美術館 企画展示室2E 
〒106-8558東京都港区六本木7-22-2

開館時間
10:00~18:00 (※毎週金・土曜日は 20:00まで )
※入場は閉館の30分前まで