風の谷のナウシカと共通する・中村哲とアフガニスタン

こんにちは。天海 和美です。

アフガニスタンで長く現地の方々に医療支援や灌漑事業を支援されてきた中村哲先生をご存知の方も多いと思います。ペシャワール会というNGOをされていました。

私は、中村哲先生(ペシャワール会)が亡くなられたという事実にようやく向き合える心の準備が出来ました。

昨年12月4日にアフガニスタンで急逝された時は心の中を閉ざしてしまい一言も言葉にすることさえできずに直視出来ませんでした。

その名前さえも口にする事が出来ませんでした。

私は直接先生と親交があったわけではないのですが、私が国際支援に関わるようになったきっかけは中村哲先生とのご縁でした。(それについての詳しくはまたいつか)

先日、『風の谷のナウシカ』(ジブリ映画)を観に行きました。

風の谷のナウシカの風景やモデルはアフガニスタンだというのを昔聞いたことがあって、それもあってナウシカを観に行きました。

私にとってナウシカと中村哲先生が重なるからでもあります。

風の谷の人々の服装は確かにアフガニスタンの人々と似ていました。

そして綺麗な水や生きられる食べのもが作れる土地が少なくて小国同士が奪い合うために戦争するというのもアフガニスタンと似ていました。

映画の中では、武器を持って争うことでオーム(巨大な虫たち)たちは目を真っ赤にして怒りのエネルギーになって襲ってくるのだけど。本当の愛はオームに通じるのです。

攻撃しなければオームは襲ってきません。

中村哲先生のアフガニスタンとパキスタンでの医療支援や現地での用水路建設は本当の意味での平和のための支援だったと思うのです。

当初、中村先生はキリスト教関係の医療支援でペシャワール(パキスタン)に行くのですが、多くの貧しい人々は病気になる原因は清潔な飲み水や食料がない事でした。

2000年にアフガニスタンでは大干ばつになり、餓死寸前の人たちが400万人くらいになったのです。

その多くは食べ物がないから死ぬのではなく、清潔な水もなく栄養状態も悪いから抵抗力も著しく下がり免疫力もないため汚い水を飲むことで下痢を起こし簡単に亡くなってしまうのです。

それで病気を治す医療以前の問題で清潔な飲み水の確保と農業をするため(食糧生産)に用水路を作ることにするのです。

アフガニスタンでの活動を1984年から2019年までの35年間もやり続けたのです。ほとんどの人生をアフガニスタンの人々のために捧げた、、、、。

私は中村哲先生が書かれた『天、共に在り』〜アフガニスタン30年の闘い〜を読んでいる。

本の中で先生がまだ子どもの頃、意識を失って数日間記憶がなくなったときのことを書かれている。

はっきりとは書かれていないがおそらく先生はこの時、臨死体験をして人智を超えた体験をされて意識が戻ったのだろう。

超常現象としか書かれていないが。

読むことで心が落ち着いてきた。

今まで中村哲先生が亡くなられたことから目を背けてきたが。この本を読むことで中村先生が今もイキイキと生きてアフガニスタンにいるような感覚がしてきた。

たぶん先生の魂は今もアフガニスタンの人々と共にいるのだろう。

人は安全な道を生きようと思えば何もしなければいい。

そうすれば失敗もしないし、損もしないし、苦労もしない。

何かをしようとすれば苦しんだり、失敗したり、裏切られたり、損をしたり、困難にぶち当たるかもしれない。

それでも利他の想いで信念を持つ人は必ず協力者が現れ、導かれそれを達成することができる。

この世界でも類がないほどに混迷を極めているアフガニスタンにおいて、諦めずに見捨てずに35年間、73歳までその先頭に立ち人々を導いて、何百万人もの人々の命を守ってきたのは(水と食糧生産のための基盤と医療支援)、現在の人々だけでなくこれからの子孫たちの命も繋いでいく。

それを功績という陳腐な言葉では言い表せない。

中村先生は2000年の時のアフガニスタンの大干ばつの時から地球温暖化による気候変動で高山の氷河が消えゆき、冬場の雪が不足し、夏に時折り集中豪雨による洪水が起きていることを訴えている。

そしてそれが干ばつとなって農地だった所が砂漠になり人々は飢えて餓死寸前だと訴えている。

当時のタリバン政権も国際社会に訴えたが国連でも無視され、それによってバーミヤンの大仏を爆破し注目を集めようとした。

映画の中で風の谷の人々は普段は農民で敵が来たらみんな兵士になる。

アフガニスタンの人々と同じだ。

風の谷のナウシカの時代は腐海という有毒な地域が広がり、そこでは人間はマスクをしないと生きてはいけない。

わずかに残った土地で生き残った人間たちが生きている。

みんな自分の家族や親戚たちと自分たちの土地で平和で豊かに暮らしたいだけ。

それも風の谷もアフガニスタンも同じなのです。

私の中でナウシカと中村哲先生がずっと重なって見えました。

中村哲先生がペシャワールに赴任したのは1984年。偶然かもしれないけど『風の谷のナウシカ』が生まれたのと同じ年なのです。

アニメの中だけでなく、人生を掛けてナウシカのように”人々のために生きた中村哲という人”が私たちに与えた影響は大きいと思う。

私たちが生きているこの現代においてアニメではなく、リアルな人として中村哲という人がやってきたことは、なんとも言葉で言い表せない。

言葉にするとそれはあまりにも陳腐過ぎて言いようがない。

私にできることは、自分の身の回りのことだけだ。大きなことなんてできないけど。

目の前のことを諦めずにひとつ一つやっていこうという勇気をくれます。

よければぜひ中村哲先生の本を読んでみてくださいね。

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